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映画『ブラック・ウィドウ』

マーベル・シネマティック・ユニバース第24作目であり、アベンジャーズのメンバー、ブラック・ウィドウの活躍を描く。 時系列としては『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の間となる。
主演はスカーレット・ヨハンソン。
妹エレーナ・ベロワ役にフローレンス・ピュー。養父アレクセイ・ショスタコフ(レッド・ガーディアン)役にデヴィッド・ハーバー、養母メリーナ・ヴォストコフ役にレイチェル・ワイズ。

あらすじ

ソコヴィア協定違反で逃亡者となったナターシャ・ロマノフが、ともに暗殺者として教育を受け、生き別れになった妹エレーナから連絡を受け、自身を育てたロシアの秘密機関レッドルームとの闘いに身を投じていく。

家族との絆を取り戻す物語

アベンジャーズという「家族」が崩壊する中で、かつての家族との再会、そして絆を取り戻していく物語。
オープニングの家族でのアメリカ脱出やレッドルームでの訓練シーンは、『レッド・スパロー』を想起させる結構シリアスなテイストで描写されているが、エレーナとアレクセイがかなり明るいキャラクターとして設定されていることや、良くも悪くも派手で大味なアクションも相まって、全体としてはコメディ色の強いアクション映画である。

原作は米ソ冷戦下の世界情勢を反映していたため、ナターシャはKGBが作り出した暗殺者、レッド・ガーディアンもキャプテン・アメリカに対抗してソ連が作り出した共産主義ヒーローという設定になっていた。
MCUは現代(21世紀)を舞台としたため、ナターシャやエレーナが暗殺者としての訓練を受ける前の幼少時代が90年代なかばとなっており、彼らの存在意義がやや現状にそぐわないことになっている。そのためか、アレクセイはお払い箱となって刑務所へ入れられ、レッドルームもロシアから独立して独自に行動しているというような扱いとなっている。

洗脳薬の開発経緯がS.H.I.E.L.D.(を隠れ蓑にしたヒドラ)が開発したものだったり、アレクセイがやたらキャプテン・アメリカをライバル視したり、冒頭でナターシャがロス米国務長官から追われていたりと、これまでのMCUとのつながりは随所に散見され、シリーズ作品視聴済みが前提となっているのは過去作同様である。

変装マスクで身近な登場人物が入れ替わる、冒頭の特殊部隊に追い詰められたように見えて実は別の場所にいるという演出は『ミッション・インポッシブル:ローグネイション』そのもので、「スーパーヒーロー着地」の自虐パロディも『デッドプール』ですでにネタにされている等、随所に既視感のある演出が目立つが、一方で『アベンジャーズ』でロキを手玉に取った演技のオマージュや、先述のマスクも『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』での同様のシーンが伏線になっていると取ることもでき、やはりMCUシリーズをどれだけ視聴しているかで評価は変わってくるだろう。

エンドロール後に次世代へのバトンタッチも無事行われており(ドラマ『ホークアイ』へのエレーナの登場が決まっているらしい)、アベンジャーズの中心的人物の一人だったナターシャの最後を飾る作品としては、満足のいくものだった。

レッド・ガーディアンはキャプテン・アメリカと戦ったのか?

劇中でアレクセイがキャプテン・アメリカと戦った話を囚人仲間に自慢気に披露し、 周りも与太話としてまともに取り合っていない描写が出てくるが、 アレクセイは果たして本当にキャプテン・アメリカと戦ったことがあるのだろうか。
劇中ではアレクセイの話が本当なのか単なるほら話なのか明確には明かされないが、 アレクセイの台詞から彼自身はどうやら本当のことと思っている様子だった。
いっぽうキャップは戦後長く氷漬けになっており、アレクセイと出会う可能性は低い。
そこで本当にキャプテン・アメリカと戦ったのだとしたら、どういう状況だったのか、以下3つの説を紹介する。

アレクセイ高齢説
実はアレクセイはスティーブ・ロジャースと同じく戦前生まれで、 第二次大戦中からレッド・ガーディアンとして活動しており、その際にスティーブと戦っていたというもの。
ソ連製超人兵士血清で若さを保っているため、現代でも中年の容姿でいられるが、実は高齢であるという説。
この場合「80年代にキャプテンと戦った」という台詞(囚人仲間に「その時キャプテンは氷漬けだった」と指摘されている)と矛盾する。戦った事自体が本当なら、年代だけ嘘を付く理由がわからない。
また史実では第二次大戦中はアメリカとソ連は敵国同士ではないため、少なくとも表向きは戦う理由がない。

歴史改変後に出会った説
『アベンジャーズ/エンドゲーム』ラストでスティーブ・ロジャースは過去へ戻り、その後再びタイムスリップすることなく現代まで生きてきた。 これにより歴史改変が起き、本来戦後70年氷漬けになっていたはずのスティーブは、普通に存在して歳を重ねてきたことになる(厳密には氷漬けになったままのスティーブとペギーと幸せに暮らしていたスティーブが両方存在していた)。
この間彼がどのような人生を送ってきたのかは今のところ語られていないが、ここでレッド・ガーディアンと出会っていたのではないか?という説。
本作の時系列は『CW』と『IW』の間2016年頃と思われるが、この説の場合、実際には歴史改変後の2016年ということになる。 「80年代にキャプテン・アメリカは氷漬けだった」と言われた際のアレクセイの反応は、このあたりを反映していると取れなくもない。
ただ『EG』でのサムとバッキーの反応から、歴史改変後の世界でスティーブがヒーロー活動をしていたようには見えない。(『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』は未見だが)

別のキャプテン・アメリカと戦った説
アレクセイは「キャプテン・アメリカと戦った」とは言っているが、「スティーブ・ロジャースと戦った」とは言っていない(少なくとも字幕では無かったと思う)。 キャプテン・アメリカはスティーブ以外にも存在しており、レッド・ガーディアンが戦っていたのはスティーブとは別のキャプテンであるという説。
原作ではスティーブが行方不明になった後、複数の人物がキャプテン・アメリカの名跡を継いでいる。 また『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』でもジョン・ウォーカーという人物がキャプテン・アメリカの名とヴィヴラニウムの盾を受け継いでいることや、 第二次大戦後スティーブ以外にも超人兵士がいたことが明かされている。
戦後別の人物がキャプテン・アメリカを名乗って活動を続け、そのキャプテンとレッド・ガーディアンが戦ったという可能性もある。

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