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Dolby Atmos(ドルビーアトモス)という技術

ドルビーアトモスという立体音響技術を体験してきました。
日本ではまだいくつかの映画館でしか導入されていませんが、多くの映画で採用されています。

映画館のスピーカーというのは、基本的には前、横、後ろにあります(スピーカーの数は劇場の広さ等によって異なります)。
ドルビーアトモスに対応した劇場では、これに加えて天井にもスピーカーをつけているのです。
天井のスピーカーの数は、原則的に横のスピーカーの数と同じになります。
これだけ聞くと「なんだ、スピーカーの数が増えただけじゃん」と思いがちですが、アトモスの技術がすごいのはここから先。

今までの音響技術と違ってチャンネル数の概念がなくなったのです。
DVDやBlu-rayのパッケージを見ると「ドルビーデジタルサラウンド5.1ch」なんて書いてあるでしょう。
この5.1というのがチャンネル数のことです。スピーカーが5個にサブウーファーが1個(0.1と数える)で、5.1。
ここまで読んで、あれ?と思った人もいるでしょう。
天井にスピーカー増やそうが、数は決まってるじゃないの?と。

今までのドルビーでは、この音はフロント中央、この音は右サイドというように、音声データはチャンネルごとに決められていました。
今回のアトモスでは、音ひとつひとつに位置情報と時間情報をもたせ、それをアンプがリアルレンダリングして再生していきます。
この音は今この位置にあってここからここまで移動していく、という情報をアンプが処理し、それをあらかじめ入力してある再生環境(スピーカーがいくつあってどこに設置されているのか)のデータも加味して、こういう風に再現すれば最適な音で聴こえるというものを再現していくわけです。
スピーカーの数や位置が異なっていても、(理論上は)的確に判断してくれます。

今回体験してきたのは、このドルビーアトモスをホームシアター用に作った「Dolby Atmos Home」というものです。
試写室のスピーカー配置は、フロントに3つ、サイドに2つ、リアに2つ、そして天井に4つ。
7.1.4という構成でした。

デモ映像を見て(というか聴いて)感じたのは、とにかく音の移動がスムーズ
おおさげなくらい、体の周りをグルングルン回っていました。
そして顔のすぐ真横や斜め前からも音が聴こえてきます。
デモ映像では鳥のさえずりだったのですが、スピーカーから出ているとは思えないほどでした。
これが音の位置情報が指定されているという成果なのかあと、聞き入っていました。

ただこれホームシアター用なのですが、現実には家庭で天井にスピーカーを設置するというのは、そう簡単にできることではありません。一軒家ならともかく、マンションとかまずムリでしょう。

そこで天井用スピーカーの代替品として、イネイブルドスピーカーというものが用意されていました。
これはより指向性の高いスピーカーで、床に設置されたスピーカーの上にアドオンで設置して上に向かって音を出し、天井に反射させることで、擬似的に上から音が聴こえてくる感覚を再現するというもの。
リアルに天井に設置するのには劣りますが、結構臨場感があります。というより、自分には正直差が分からなかったです。一緒にいた他の人達は違いを認識していたみたいですが。

散々ヨイショしてきましたが、問題は果たしてどれだけ普及するのか?ということ。
良いモノが必ずしも売れるとは限らないのは、世の常。
3D技術みたいに、いつの間にか消えてなきゃいいんだけど。

ドルビーアトモスのページ
http://www.dolby.com/jp/ja/professional/technology/cinema/dolby-atmos.html

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